1.




いつからか何かが変わってしまったのだと、気付かないわけにはいかなかった。
拒絶の言葉も必死の自己暗示も意味を成さなくなりつつある。まずいと思って極端に避ける事で置いた距離。
を気付いていないわけではないのだろうに。いつも無遠慮に踏み越えてくるくせにこの領域を、傲慢で自惚れで
あるはずのあの男は何も言わず保ち続けて、それがむしろ異様に腹立たしい、腹立たしいなんてどうかしてる。
どうしてほしいなんて私自身わからないがひどい時はいっそ、他でもないアイツの手によって何かを(あるいはこ の環境を、感情をか)めちゃくちゃにぶち壊してほしいなどと思う。
行き来する二重の苛立ちに、言い寄られるのが当たり前だとでも思っていたのだろうか。
だとしたら傲慢で思い上がりなのは、とんだ自分の方じゃないか。

ふとした時何か探してるの?と友達に聞かれるまでもなくたぶんそろそろ、認めなければならないのだ。
ただ歩いている時、外を眺めた時、廊下で、ホールで、あるいはすれ違う人ごみの中に…無意識のうちにかの面 影を求め、探してしまっているということ。そしてそれが意味することは。

胸の奥の締め付けられるような苦しさ、中心をじんと鋭く突く痛みと、それらが引きずり出す甘い痺れさえ。少な くとも私はこれらを知っていて。

器用そうに見えて、めちゃくちゃなアプローチの中に、不器用で率直な部分を垣間見てしまってから。

苦しい、痛くてしょうがない。だとしたら自分は、自分の投げつけた言葉と態度でどれほど向こうを傷付けたとい うのか。わかっていて、わざと傷付けたことだってあるのだ。

純粋に、嫌いだと思っていられた時の方が遥かに、楽でいられた。
───のに。




今度あいつと面と向き合ったならば、















(私はどうすればいいの?)