ペテン師の3カウント



「おめー、いつも思ってたが何でグラサンしっ放しなんだ」
「これ?なんかライダーぽいでしょしてると」
「つか単に胡散臭ェ」
「ひで!」
「ライダーって何だ。あれか、仮面ライダーとかゴレンジャーとかそれ気取りか」
「気取りじゃないから!ヒーロー☆と言ってくれたまえ」
「つーかショッカーだろ」
「マサムネちゃんが?」
「燃やすぞ!」
「ははっ怖っ、でもあれだね、俺が風で君が火で実は相性ばっちりだよね」
「何が言いてえ」
「ボクたち付き合っちゃう?」
「あれか、よっぽど湟神に相手されなくて誰でも良くなってとうとう野郎に走ったのか」
「えっ待って待ってその既に、事後か、みたいな誤りだらけの冷静な分析」
「どーでもいいが、」
「いくないから!」
「何だいちいちうっせえな」
「俺は澪ちゃん一筋さ☆」
「言ってろ!昔もうっとーしー頭で、目見えなかったろおまえ。何でだ?」
「それは普通を演じるため、」
「色々普通じゃねーだろあれは」
「………」
「………」
「………実はここだけの話、」


それがすごく重要なことです、みたいな静かな、厳粛な口調で言うから、
正宗も改まってプラチナの声に聞きいった。
だから次に発せられた台詞に、頭からつんのめりそうになる。


「俺に3秒間見つめられただけで、どんな人でも虜になってしまうんだよ」



「ちょ、ちょマサムネくん!何で黙って行こーとすんの!」
「付き合いきれねーな。寝言は寝て言え」
「いや、マジで真面目な話だから、これ。例えば3年前の話で──」


延々と続くプラチナの御託をもはや耳に入れない勢いで、
ならその3秒とやらでテメーの「澪ちゃん」をさっさと落としてこいよ、
と正宗は投げやりに思った。