(蜜柑15歳くらい設定)









「鳴海せんせ〜い!聞いて聞いてっ」

元気よく弾む声に誰だろうと思う間もなく、腕に重みがかかった。
…これは考えなくたって誰だかすぐわかった。
とりあえず、これだけ学年が上がってもこんな事をしてくる生徒というのは限られている。
ウチ、今日いいことあってん!と目を輝かせているのは案の定淡い髪色をした一人の女のコ。 さすがに今では、ツインテールに結んではないけれども。
あのねあのねと、続きを全身で表現できるとでもいうように腕にかかる重圧に嫌でも意識が集中した。
ムッツリですねと思っちゃあいけない。鳴海はどっちかというとオープンだ。
いつもの笑みはそのままに、いや実は軽く強張ってるのは誤魔化しながら、これじゃあちゃんとお話できないよ〜と腕に張り付く蜜柑から一定の距離を無理矢理置く。
──少し動きがわざとらしかったかもしれない。
何かを悟ったらしい彼女は、小首を傾げながら鳴海を見上げてきた。
「先生、どうかしたん?」
それはもう心の底から、全く裏のない少しばかり戸惑ったような表情で、たまにこんなにバカ正直で色々大丈夫だろうかと心配になるくらいに。


上目遣いで。じいーっと。
じーいーっと。
鳴海を見つめてくる。


(イロイロ大丈夫じゃないのは自分だって)


なんでこのコはこんなに無防備なんだろうと、自分の浅はかな思考とに思わず頭を抱えたくなった。

「う〜ん、どうもしないよー」
「ほんまに?」

またまた笑顔を引きつらせそうになりながら、鳴海にしては歯切れ悪く、普段よりスロー回転な頭でどう言い訳しようかと考えた。








ナルユカ的あの頃、ていうか私的あの頃。笑