目を逸らせないと言いつつ直視できなくなる。
世の中のことなどなんだか適当にこなせるし、それでいてそんな自分は不器用なんだろーと思うとか。
言えばおおかた一緒に居る奴は嫌な顔をする、どこがだ、とそう言われてその辺可笑しくてやっぱり笑える。
まあ勉強にしろ何にしろ、ついでに言えば女の子にも困ったりしないし
これ要は器用貧乏とかいうやつじゃないかボクちん。
なんてふざけたこと言ってみてつまるところそれなりだ。
テキトーにこなせばテキトーにうまくいく自分の中に流れ駆け巡るものもきっとテキトー。
それで楽にそこそこにやりたいように。
得かと言えば大部分得だと自他共に思われるだが。
それがいいとかいうんじゃんなくて、例えば、そう。
実に彼女はまっすぐだと思う。
その姿を、陳腐に眩しいとかいう言葉じゃ決して言えない。
彼女は常に何かしらを見つめていて。
何かをいつでも目指しているその隣でひょっとして同じ世界が見られやしないかと、思ったりするけれど。
我武者羅を背負って走っているその彼女の姿はやはり。
言葉にしてみるなら、眩しい、になるんだろうか。
自分の持たない特性を持って彼女は、そして追いつけない。ずっと追いつかない。
別に一緒に、走っているわけでさえないのに。まるで、置いていかれてるような気に、なるのは。
時に、彼女が見つめていると嫌でも知っているその男が彼女の我武者羅の方法を知っていることに
ざらりと巣食う嫉妬心。確かに存在する、その感情が実は、
自分の知らない方法論を知っていることに対する一種、紙一重の羨望でもあるとは、
(決して認めてやらない)
おそらく届かないものは、届かないまま追い続けているうちが一番楽しくて。
いざ手にしてしまえばきっと新たな面倒になると知っている、知っているふりをする。
そうして一方では、彼女が、憧れのままでいてくれることにそっと安堵するのだ。
岬が嫌がることを知りながら煙草に火を点ける。肺を汚してつかの間偽の安息を
得るこれは弱い男のする所業だ所詮。
けれどやめられない。
──彼女を見つめ続けることを、やめられない。
時に彼女の姿が、綺麗すぎることに畏くて目を背けたくなる、そのくせきっと。
――この先。
例えばの話、世界で何かが起きて三流ドラマのように天地が覆って
彼女を忘れるような嘘みたいな日が来たとしても。
これだけは断言できるのだ。
決して大袈裟なんかじゃなくって、
自分の魂だけは、永遠に彼女に、乞い、焦がれるんだと。